空想じじい

人生は七転び八転び。

我は海の子22

兄貴が中学の2年生の頃だと思った、担任の先生が家にやって来てかあちゃんに、兄貴は勉強が出来るから上の学校にやってくれないか、金の事は奨学金が出るので心配ないから、と言う。


それからも何度か担任の先生が家に来るようになった。


何度目かの時だった、兄貴が担任の先生に、もう家に来ないでくれ俺は進学しない、俺が進学したらこの家はどうなるんや?母ちゃん1人では大変すぎて米は作れないし。


弟のコウはいずれこの家を出て行かなきゃいかん、これからは学歴社会になる、最低でも高校は出してやらんと弟のコウはアホやから生きていけない。


それからは兄貴は百姓をして米の収穫が終わると来年の春まで出稼ぎに出ていくようになった。


コウが高校の2年の頃悪い友達に誘われてタバコを吸うようになった、ある日家でタバコを吸ってたら兄貴に見つかった。バカヤロー俺が一生懸命に働いて生活費やお前の学費を払ってるんやぞ、自分が稼いだ金ならタバコも酒も何を買ってもかまわん、


学校に遊びに行ってるだけなら俺と変われ!俺は今からでも高校へ行って大学まで行く、お前は百姓をしろ!。悲しげな顔で怒られた。


コウは何も言えなかったが心の中では済まないと思った。


それからはコウはタバコは友達にもらう事にした。