空想じじい

人生は七転び八転び。

兄貴よ

兄貴ありがとう。
俺の最後の砦をなくしてすこし不安だよ。
でもこれ以上悲しんでては兄貴が一番怒るだろう。
もうこれで兄貴のことは忘れる事にする。
あれは兄貴が中学2年の時だった、兄貴は非常に優秀な生徒だった、担任の先生が毎日うちに来て兄貴を進学させてやってくれと頼みに来た、金の心配は要りません間違いなく奨学金が出ます、心配要りませんからと。何回目かのときに兄貴は、先生もう家に来ないでくれ!俺は中卒でも実力で生きていけるが弟はバカだから学歴がなかったら生きて行けない、俺は出稼ぎに行ったりして最低でも弟を高校だけは卒業させる、もう決めたんだ。そうかわかったと言って先生は帰って行った。その時兄貴の目は赤くなっていたのを覚えている。兄貴の涙を見たのは生涯でたった2回だけだ、親父が死んだ時とこの時だけだった。それから兄貴のおかげで俺は高校に行けるようになった、でもやっぱり勉強は好きにはなれなくて授業には出なかった、部活だけやって友達と酒を呑んでタバコを吸って家に帰る生活をしていた。ある日タバコを吸ってる所を兄貴に見つかった。バカヤロ~~~俺はお前を高校にやるために夜勤までしてへろへろになって働いてるんだぞ~それを俺が働いて稼いだ金で堂々とコノヤロ~酒呑んでタバコまで吸いやがって~。兄貴は激怒した。すまん兄貴、こんどから隠れて吸うから。