空想じじい

人生は七転び八転び。

兄貴が死んでから1ヶ月

兄貴が明日退院と言う日の朝の3時に病院で急死した、肺がんの治療中だった、享年59歳、誰も死に目に会えなかった。あれから1ヶ月がたったがまだ実感がない、つい兄貴に電話してしまいそうになる。俺は焼かれる前に顔を見ておこうと実家まで車で7時間かけて走った夕方に実家に到着したら酔っ払った兄貴の同級生達がたくさん居た、そのうち一升瓶を持って兄貴の棺の上に体重が100キロもある男が5人が座って昔話をしながら兄貴に酒を飲まし始めた、棺の中は酒でびしょびしょになった、俺は棺がつぶれて兄貴が圧迫死したらどうするんだと心配になった。念仏のおばあさんが「もう部屋の中は酒臭くておられへんわ~~~」と部屋から出てきた、そして俺を見てあああああ~~~と言いながら座り込んだ、なんだコウ君か?ビックリした兄貴が生き返ったかと思った、心臓が止まったわ、そっくりやな、若い頃は全然ちがう顔をしてたのに。そして俺はタバコを吸おうと玄関を出ようとすると又あああああ~ビックリした~兄貴が生き返ったかと思った!、恵君の兄だ、恵君は従兄弟で俺の同級生で小児麻痺になって両手両足が麻痺して24時間、奈良の大仏さんのように座ってる、鎌倉の大仏でもいい、頭は麻痺してないので本も読める、小さい頃には恵君とよく将棋をした、勝ったり負けたりだった、負けた時は頭にきてしばらく遊びには行かなかったな~、恵君は字を書く時には鉛筆を口にくわえて書く24時間付き添いが必要な体だ。恵君はどうしてる?ああそれがバリバリや年間5~6回海外に公演に行ってるよビップ待遇やで。それで結婚もしたんや。え~~~~っ結婚?信じられない、そうか~よかったな~、これで死んだ婆さんも天国で安心したろ~な~。恵君の面倒を24時間診てて泣きながらこんな孫を残してわしは絶対に死ねないわ!と毎日言ってて簡単にコロンと死んだもんな~~~。