空想じじい

人生は七転び八転び。

きょんちゃん 28

きょんは4月から専門学校に通い始めた。8年ぶりの学校だ。源之新は心配した。よそうどうり毎日疲れきって帰ってくる、パニックを起こす寸前になっている、でもなんとか半年が過ぎた。ある休みの日の夕方源之新はきょんの大好きなかぼちゃの煮物を作り出した、しばらく煮込まなければいけないのでリビングに居るきょんに鍋を見てるように言って、庭の草取りを始めた、少し取り始めると熱中してしまう、草を取った後はどんどん奇麗になっていくのが気持ちがいい、こんな気持のいいスポーツをいったい誰が考えたんだろう?もうすこしだけ、もうすこしだけと思っているうちにあっという間に時間がすぎてしまう、1時間くらい経っただろうか、きょんがゆっくりと歩いてやってきた。お父さん部屋の中が煙だらけだから外に出てきた。そーか外の方が気持いいぞ~、お父さんの田舎じゃ、昔は夕方になると、そこらじゅうの家から煙が出てた、どこの家もみんな薪で御飯を炊いたり風呂を沸かしたりしてたので、この時間になると村じゅう煙だらけだったな~、お父さんの田舎は小さな漁師町でどこの家も家の中はススだらけで皆真っ黒な顔をしてたな~、ススで黒いのか日焼けして黒いのかは誰も知らなかった。朝昼晩いつも魚の焼けたいい匂いがそこらじゅうにしてた、ガスが無かったんだ、のどかだった、懐かしいな~~~。え~~~っ今さっきなんて言った?台所が煙だらけになってるって?早く言えよ!源之新は大急ぎで台所に行った。鍋から凄い煙が出てる、すぐにガスを止めた。きょんよ~、どーして火を止めないんだ?火事になるだろ。だってお父さんが見ててって言ったんだよ。