あれは僕がまだ20歳くらいの時だった、田舎の山道での事。そこは魔のカー
ブと呼ばれてた、下りの緩やかなカーブだけれど、なぜか死亡事故が多い、僕
も5~6回昼間に通ったことはがある、交通量も少ないしあんまり車とすれち
がわない、山の中なのでうっそうとして昼間なのにうす暗い、街灯も付いてな
い。夜真っ暗になったら気持ちわるいだろうな~と思う道路だ。7月の初めの
頃タクシーの運転手が見てしまった、深夜の1時頃、白い着物を着た髪の長い
女の人がそのカーブの所に立っている、タクシーの運転手は体調を壊し病院に
入院し、仕事もやめてしまった。その後もタクシー運転手が何人も目撃してい
る、そのうち一般の人も見るようになった、飲みに行っても、どこへ行って
も、あちこちでその話でもちきりになって、肝試しに見に行く若い人達まで出
てきた、お盆の頃、目撃者があまりにも多いので警察が動きだした、そして夜
中にその道路をパトロールし始めた。何日かして「いちれんの騒動の犯人が捕
まりました」と新聞に出た、犯人が捕まった?どう言う事なんだ?高校生の男
女5人組のいたずらだった。警察の取調べ室ではこんな会話がされていた、
「お前達のいたずらで病院に入院した人もいるんだぞ!ふざけるんじゃない、
反省しろ、初犯か、まあ幸い事故も起きてない、今回は厳重注意と言うことに
してやる。2度とこんな事をするんじゃないぞ。で、いつからやってるんだ?
正直に答えなさい。はい!3日前からです」