空想じじい

人生は七転び八転び。

書き忘れた日記 5

あの出来事は忘れもしない今でもはっきり覚えてる。
え~~~っと忘れた!そうだ兄貴が中学1年生で俺が小学校の5年生の暑い暑い日の夏休みだった。
毎日、日の出から日の入りまで兄貴と俺は稲刈りに駆り出された。

昼前に兄貴がとっちゃんに、今日は3時から陸上の練習があるや、昼で稲刈りを終わらせてほしい、どうしても行きたいんや、
あかん!お前はこの家の跡取りや勉強も部活もせんでいい、百姓と漁師をしてりゃいいんや。

今日だけでいいから、陸上の大会があって4×100のバトンの練習があるその練習はだけは1人欠けたら出来ないんや他のメンバーが困るんや。
 
あかん!
どうしても行きたいなら今日の仕事を全部終わらせてから行け!

兄貴は泣きそうな顔になって、わかった終わらせて行く、と言って田んぼに走って行った、

かあちゃんがもう昼だから昼ごはんを食べるように兄貴を呼んでこいと言うので走って兄貴を呼びに行った。

兄貴!かあちゃんが御飯を食べろと言ってるよ、アホ!御飯を食べてたら終わらないだろ、どうしても終わらせて行くんや、手伝おうか?、いらん!、お前は昼ごはんを食べて寝てろ。

兄貴、どうやったって終わらないよ。

どんなに急いでも夕方になってしまう、それにここから学校まで6キロもあるしとても無理だよ、と心の中で思ったけど兄貴が怖い顔をしてたので殴られると思って言えなかった。

あのな~物事はやってみなけりゃわからないんや、お前のようにやらないであきらめたくないんや。

と言うと兄貴は凄い勢いで稲刈りを始めた。

俺は仕方なく小屋に帰って、かあちゃんと、とっちゃんと、俺と3人で、無言でいつもと違う空気の中、日の丸弁当にお茶をかけただけの昼御飯を食べ始めたが、窓から兄貴が必死に稲刈りをしてるのが見えて、俺達はなんか悪い事をしてるような気がして御飯が喉を通っていかなくなったが全部食べた。

するとかあちゃんがスイカを切ってくれた、運良く兄貴の分が余ってたのでそれも全部食べて腹いっぱいになった。

と突然とっちゃんが、おい!兄貴に帰ってもいいと言って来いただし昼御飯を食べてから行けと言え。

わかった!俺は嬉しくて兄貴の所に走って行った、途中であぜ道を1回踏み外して田んぼに落ちて泥だらけになった、兄貴~~~とっちゃんが帰ってもいいと言っとるよ~~~。

兄貴は無言で泥だらけの服で学校へ走って行った。