空想じじい

人生は七転び八転び。

じじばば共和国 51

今年も猛暑になっている、水の事故も多発しているので今回の水泳大会は着衣泳法の訓練になった、屋外のプールで行われる、深さは2メートルある立派なプールだ、当日、雲一つない晴天に恵まれた、最高気温の予報は38度と今年最高になる。去年の水泳大会では8人が熱中症で倒れた、今年は二桁は期待出来そうだ。

スポンサーの葬儀屋は早朝から300人ほどが準備に追われて走りまわってる。入所者の家族に葬儀屋の家族も来てる総勢2000人ほど集まった。葬儀屋勤め10年になる野々村は夫婦仲が悪い。

入所者達が私服でぞくぞくと集まってきた、花の係長はユカタに風呂桶と石鹸とタオルを持ってきてプールサイドに置いた、どうやら城之崎温泉と勘違いしている。

プールサイドにまりちゃんが十二単を着て登場してきた、歩きにくいわ~~~、たくさん汗をかいてふらふらしてる。まりちゃんは何を考えてるんだ!私服だと言ったのに、あ~~~ぁ暑いわ~~~ドボーン、頭からプールに落ちた。大変だ早くまりちゃんを助けないと十二単がだいなしになる~~~。

その時突然、野々村の奥さんがまりちゃんを助けようとプールに飛び込んだが奥さんは泳げない、それを見て野々村が走ってきた俺も泳げないわ~~~世の中をわ~~~、俺の足につかまれ!。奥さんを助けようとしてプールサイドに座って右足を伸ばした。会場がざわめいた、おい野々村はいい奴じゃないか?テレビはウソの報道をしたのか?う~ん、どうもそうらしい。

でもなかなか奥さんはあがってこない、野々村は右足で奥さんの頭を押さえてたのだ。