空想じじい

人生は七転び八転び。

じじばば共和国 44

ゲートが開いてお孫さん達がいっせいに共和国に入ってきた。わ~っどの子がわしの孫かわからんでやんす!。大丈夫ですお孫さんの方が係長を探してくれますよ。
 
お~お~かわいいの~~~わしの孫が一番かわいいわ、ハハハハ~でもちょっと見ないうちに毛深くなったね~~~、 志紋孟さん!それは犬です、あなたのお孫さんは後ろにいる子供ですよ。
 
徘徊コースを下を向いてトボトボと空想じじいが歩いてる、俺には娘が2人いるのに孫が出来ない、訳あって空想じじいには孫が出来ないのだ、かわいそうにそう言う運命だからしょうがない、突然しゃがみこんだ、どうしたんだろう?悲しみのあまり動けなくなったのか?ア~~~~ッと叫んだ、ついにやったぞ~1万円札を拾った!やった~酒が呑めるぞ~100メートルを56秒の俊足を飛ばして酒屋さんに走って行った。
 
そして空想じじいの部屋で宴会がはじまった、あんた達にはかわいい孫がいる、目に入れても痛くないと言うが俺は今まで孫を目に入れてうれしそうに歩いている老人はほとんど見たことがない、みたくもないが、かわいい孫達に放射能と言うとてつもない負の遺産を孫達に残すわけにはいかないだろう、俺にいい考えがある。
 
太平洋プレートがユーラシア大陸に潜り込もうとしている場所。そこに使用済み核燃料を太平洋プレートの方に直径20メートル深さ300メートルの穴を掘って核燃料をぶち込んでコンクリートで固める、そして大地震が起きればユーラシア大陸に沈み込んでしまう、使用済み核燃料はもう2度と出てこない、これしか孫達を救う方法はない。
 
う~~~んそれはいい考えだ、さっそく行動を起こした。日本海溝の水深8000メートルの深さを、大手のゼニコンに頼んで直径20メートル、深さ300メートルの穴を掘ってもらった、そして使用済み核燃料をぶち込んで2000度の温度にも耐えられるコンクリートで固めた。
 
後は大地震がくれば核のゴミは自然に地球の中心に沈んでいくだろう、それから1ヶ月後に東南海地震が起きた、うまくいった!、これで永遠に核燃料は出てくる事はなくなった。
 
バンザ~~~イ、ヤッタ~~~、よし!みんなでトンネル音頭を踊りましょう、アッソ~レ、ソ~レトンネル音頭、穴ほれ穴ほれヨイヨイヨイ~みんなで朝まで踊り狂った、5人が倒れて病院に救急搬送された。
 
それからさらに1ヶ月後今度は富士山が大噴火した、いままでに日本人が経験した事のない大規模な噴火だ、ド~~~ンと言う音と地響きがして大きく地面が揺れた、最初に飛び出して来たのは、直径20メートル長さが300メートルはあるミサイルのような物体だった。
 
噴煙が1万メートルに達した、おりからの強風にあおられてミサイル状の物体は東京に向かって飛んで行った。