空想じじい

人生は七転び八転び。

じじばば共和国 20

花の係長はひたすら南に泳いだ、七丈島にたどり着いたと思ったが、そこは六丈島だった。どうしてわかったかと言うと港の大きな看板に「六丈島へようこそここへクッククック」と書いてあった。真っ黒な帽子をかぶった村長が出迎えてくれた、若い村長だどう見ても30代の前半にしか見えない。お前は1人で泳いで来たのか?はい。そうか勇敢なやつだ。夕方村長は村人を広場に集めて、村人に勇者の踊りを踊らせてくれた。係長は踊りには興味がない、ありがた迷惑だ。そのまま島に1軒しかない居酒屋に行った。漁師がたくさん居た、お~お前か勇敢な奴は、ま~呑め!さすがに漁師たちは豪快で愉快だ、係長もヘロヘロに酔っ払った。1つ気をつけなければいけない事がある、村長は鬼瓦のような顔をしてるが本当は非常に繊細でハゲ頭のことを凄く気にしてる、だからいつも帽子をかぶってる、中学1年生の頃から毛が抜け始めて3年の頃にはズルッパゲになったんだ、頭の話題はするなよ。先週だったか村長の民宿に泊まった40代半ばの客が村長の中学の卒業写真を見せてもらって、同級生が18人しかいないんですか?寂しいですね~写真の真ん中にハゲ頭の人が2人写ってるんですけど、担任の先生が2人いたんですか?いや1人だ、え~~~っじゃあこのハゲ頭は誰ですか?わしじゃ。これを村長に聞いた男は翌日ゆくえ不明になった。それから3ヵ月ほど前にこの島に来た若者が大浴場でたまたま村長の横に座った、しまった!シャンプーを持ってくるのを忘れた、すいません村長シャンプーを貸してもらえないですか?わしはシャンプーは使わない。その若者も翌日ゆくえ不明になった。お前も気を付けろよ、そうですか~私はそんなどじはしないでやんす~ハハハハハ~~~わかりました~~~、もう夜の12時になった、係長は眠くてたまらないが風呂に入りたい、大浴場に行った、誰も入ってない、小さな石鹸が落ちていたラッキ~~~、そこへ村長が入ってきた、隣に座った、お前今日は泊まるところがないんだろ?はい。じゃあ俺の民宿に泊まれば良い、ただにしてやる。本当ですか何から何までありがとうございますラッキ~~~でやんす~~~、係長はもう酔っ払いすぎてろれつが回ってない、あ~っシャンプーがないでやんす~~~、村長シャンプーを貸してもらえないでやんすか?わしはシャンプーは使わない。