空想じじい

人生は七転び八転び。

我は海の子 4

コウがまだ小学生の頃「冬磯」と言うのがあった、1月から2月にあわび取りをする、時間制限がある、確か冬は30分くらいだったと思った、当時はウエットスーツもなかった、友達が何人かいくと言うのでコウも一緒に行くことにした、浜に着いたらすでに大人の人が火を炊いていた、お前達もあわび取りにいくのか?えらいの~体がまっかっかになるまで火に当たっておけよ、寒いぞ~、コウ達は服を脱いで準備をした、火に当たってると本当に体中まっかっかになる、暑い、火から遠ざかる、おじさんが言う、暑いけどがまんして体の芯まで暖めておけ、いいか寒いと思ったらすぐに上がってこい、じゃないとすぐに体がしびれてきて動けなくなる、あの世行きだ、大体10分くらいだ、まああわびを1個取れれば大したもんだよ、ハハハハハ~。いよいよ始まりのサイレンがウ~~~~ッと鳴った、みんな一斉に海に入っていく、冷たい!腰まで入るが冷たすぎる、帰ろうかな~?いや帰ったら一生根性なしと言われる、満君はもう入って行った、行くしかない、一気に頭まで浸かったワ~~~ッ冷て~~っ。でもしばらくしたら平気になった、一生懸命にあわびを探したが見つけられない、10分ほどしたら寒くなってきた、岸に向かって泳ぎだした、岸に着いたときには振るえが止まらない歯がガチガチいっている、一番先に上がってきてしまった恥ずかしいな~と思ったが、すでに火のそばに誰かが居た、2番目だった、さっき偉そうにこうしゃくを言っていたおじさんだった。寒いの~~今日は潮が悪い、こんな日はいくら探してもあわびはいないわハハハハハ~、だが次々に海からあがって来る大人の人はたくさんあわびを取っていた。