ゆうさんは腕のいい医者だ、でももう40歳をとっくに過ぎている、そろそろ
当直はきつい年齢になって来た、持病も持っているし、このままでは自分が患
者になってしまう、その前にかねてから考えていた自給自足の生活をすること
に決めた。もう土地も買って丸太小屋も建てた「ゆうさんの診療所」と言う事
にした、そうしないと建物を畑に立てる許可が下りなかった。だから患者は来
ない方がいい。そばを小川が流れてる、天然のわさびも生えてる、1時間ほど
獣道を下っていくと海に出る、この道がかなり険しい、海岸線を県道が走って
る、そこにも手作りの看板「ゆうさんの診療所」と書いて立てた、この近辺に
は人は住んでない。ここの海の岩場では磯魚がよく釣れる、暖かくて風光明媚
な所だ自給自足の生活が出来る、500坪の畑で野菜を作って川と海と両方で
魚釣りが出来る夢のようだ、足には魚の目があるが魚釣りには目がない、夜は
PCで小説を書く。体力のある今しかチャンスはない、たくわえも少しある。
そして移住した。最初はなれないので随分疲れたが2年目から少しづつこの生
活のすばらしさを実感できるようになって行った、ある日の事、朝御飯の後お
腹が痛くなった、ウンチをしたい痛さじゃない、盲腸だ!自分で手術するは難
しい、病院に行かなくては、痛い!脂汗が出てきた、何とか頑張って県道まで
出なければいけない、県道に出れば誰か助けてくれるだろう、痛くて歩けない
が脂汗をかきながら頑張ってやっと県道までたどり着いた、「ゆうさんの診療
所」と言う看板の前まで来た、安堵感でそのまま気を失った。そこに近くの漁
師がトラックで通りかかった、3人乗っていた、こんな所で寝ていたら風邪を
引くだろうこのバカが、と言って毛布を掛けて行ってしまった。親切な漁師
だ。次にまた車が止まった、子供ずれの家族だ、子供が風邪を引いて寒がって
る、ちょうど良かった毛布を持って行ってしまった。次に止まった車には青年
団が5人乗っていた、おいまだ生きてるぞ急げ!5人でゆうさんを抱えて山の
中をさまよう事1時間、やっと着いたぞ、間に合った、コンコン、返事がな
い、ドアを開けてみた、平日なのに先生がいない?突然ゆうさんが目を覚まし
た、あ~っっ俺の家だ~~~~