「ジーンズショップさくら」にたくさんのお客さんが訪れるようになった、そ
れに伴って遭難者の数もうなぎのぼりに増えていった、これではいけないと言
う事で行政が動いた、自然に優しい道路と橋をジーンズショップさくらまで付
けた、もちろん車は走れない、少し便利になった、いろいろな障害を持った人
達が集まってきた、陶芸の工房に、パン工房に、チーズ工房に、彫金に、絵
に、折り紙に、ビーズと、さながら芸術村になっていった、近くに猟師の夫婦
が熊料理専門店クマドナルドを開いた。鹿肉を使ったハンバーガーショップ、
シカドナルドもオープンした。さくらは料理が出来ないので食べ物店が出来た
のは大助かりだった。下の方の樹海にはマグロの養殖場が出来た、そのうちマ
グロ料理専門店マグロナルドも出来るに違いない。どんどん都会化していくホ
テルもたくさん出来た、海外からの観光客まで来るようになった、お客さんも
1日に100人も来るようになってしまった、さくらは人と接するのがにがて
なので結構疲れる、あまりに忙し過ぎるので、1日にお客さんを10人に制限
した、そしたら行列が出来るようになった、日に日に列が長くなっていった、
最後尾が見えなくなってしまった。ある日突然父親の銀二郎が店にやってき
た、さくら!元気そうだね仕事も順調じゃないか、たまには休もうよ~、そう
だ!1週間くらい仕事を休んで九州旅行に行こう!ラーメンの食べ歩きでもし
よう。2人はラーメンが大好きだ。すぐに飛行機で羽田から出発した、まず福
岡のラーメン店一蘭に行った、随分並んでいる、仕方ない2人ともここのラー
メンが大好きだ、ところが行列が進むに連れて一蘭の前を通り過ぎていくでは
ないか、あれ~~おかしいな~前に並んでる人に聞いてみる、これは一蘭のラ
ーメン店の順番を待ってる行列じゃないの?いや違います、この行列は十甲田
山の「ジーンズショップさくら」の行列です。