空想じじい

人生は七転び八転び。

十甲田山 3

ジーンズショップさくら」にたくさんのお客さんが訪れるようになった、そ

れに伴って遭難者の数もうなぎのぼりに増えていった、これではいけないと言

う事で行政が動いた、自然に優しい道路と橋をジーンズショップさくらまで付

けた、もちろん車は走れない、少し便利になった、いろいろな障害を持った人

達が集まってきた、陶芸の工房に、パン工房に、チーズ工房に、彫金に、絵

に、折り紙に、ビーズと、さながら芸術村になっていった、近くに猟師の夫婦

が熊料理専門店クマドナルドを開いた。鹿肉を使ったハンバーガーショップ

シカドナルドもオープンした。さくらは料理が出来ないので食べ物店が出来た

のは大助かりだった。下の方の樹海にはマグロの養殖場が出来た、そのうちマ

グロ料理専門店マグロナルドも出来るに違いない。どんどん都会化していくホ

テルもたくさん出来た、海外からの観光客まで来るようになった、お客さんも

1日に100人も来るようになってしまった、さくらは人と接するのがにがて

なので結構疲れる、あまりに忙し過ぎるので、1日にお客さんを10人に制限

した、そしたら行列が出来るようになった、日に日に列が長くなっていった、

最後尾が見えなくなってしまった。ある日突然父親の銀二郎が店にやってき

た、さくら!元気そうだね仕事も順調じゃないか、たまには休もうよ~、そう

だ!1週間くらい仕事を休んで九州旅行に行こう!ラーメンの食べ歩きでもし

よう。2人はラーメンが大好きだ。すぐに飛行機で羽田から出発した、まず福

岡のラーメン店一蘭に行った、随分並んでいる、仕方ない2人ともここのラー

メンが大好きだ、ところが行列が進むに連れて一蘭の前を通り過ぎていくでは

ないか、あれ~~おかしいな~前に並んでる人に聞いてみる、これは一蘭のラ

ーメン店の順番を待ってる行列じゃないの?いや違います、この行列は十甲田

山の「ジーンズショップさくら」の行列です。