きょんちゃんは、小学5年生。曲がった事が大嫌いなきびしい両親に育てられ
た、父親の名前は源之新と言う、小さな田舎町に住んでいる、親の言う事は何
でも、はい!と言って聞く小学校の成績もいい、運動はかなり苦手だ、世間の
評判もすごくいい、気持ちの優しい子だ。だめだ、とかいけない、とか悪い、
と言われた事は絶対にしない、いままで一度も悪い事をした事がない、本人も
いい子になろうと相当努力をしている。だがどんくさい、母親とケーキを作
る、きょん!冷蔵庫から卵を3つ出して、はいと言って一度に3つ持って1個
床に落としてしまう呆然と立ちつくす、早く床を拭きなさい、はい!と言って
拭く、今度はボールに卵を割って入れてくれる~?、はい!と言って卵を割
る、ボールの中に卵の殻のかけらがいくつか入っている、かけらを取るのに2
0分位かかってる、すべて指示をされないと出来ない。空気が読めない、機転
のきかない子である、ある日曜日の10時頃、源之新がきょんに今日のお昼は
マクドナルドにしよう、チキンバーガーとポテトフライを家族4人分買ってき
てくれ!と頼んだ、途中に肥溜があるから気を付けて、昨日ひろみつ君が遊ん
でて落ちた、頭までウンチまみれになった、ひろみつ君はきょんの同級生だ、
ひろみつ君には3日間近づくな~臭いぞ~ハハハハハ~。はい!と言ってきょ
んは歩いて出かけた、マックまで2キロある、車が1台通るのがやっとな細い
田舎道を歩いて行くと国道に突き当たる、とそこに横断歩道と信号がある、国
道の向こう側にマックがある。家族はきょんの帰りを待っている、もうきょん
が出かけてから、かれこれ20年が経った、ちょっと遅すぎる!心配になった
源之新は見に行った、すると国道の前の信号の所に一人の叔母さんが立ってい
た、きょんだ!どうしたんだ?信号を待ってる、信号が、赤、黄、緑、でなか
なか青にならないんだよ~。