空想じじい

人生は七転び八転び。

犬に自分を見た

長女のきょんが言う、お父さん、私もスカイダイビングをやってみたい、お父さんはやってたんでしょ、ああ、良いよ、何時でも、怖いの?怖いよお父さんは高所恐怖症だぞ自慢じゃないけど、どんな感じなの?説明しにくい、食べ物の味を説明しろと言うのと同じ様なものだ、「口に入れた瞬間に雷に打たれたような衝撃が走って、脳みそがひっくり返って、マッタリとして次の瞬間、蜂蜜の海に飛び込んだら岩に頭をぶつけて血だらけで気絶しそうになって、柔らかいのに歯ごたえがあって、甘くもなく、辛くもなく、まずくもなく、旨くもなく、絶妙のタイミングで唐辛子がきいて来たかと思うと、それ以上利くなと蜂蜜が止める、そこへ普段仲の悪い犬と猫が仲良くサンバを踊って、イノシシが全速力で喉元をかろやかに通過していく」ような感じと言ってもわからないでしょ、その場へ行って体で感じないと、わからない、言葉の数が足りないんだと思う、でも多すぎたら大変、やっと日本語の日常会話を覚えたら89歳になってた、じゃしょうがない、スカイダイビングを説明しようか?いい判らないことが判った。きょんは今は順調に回復にむかってる様に思う、が前途多難だ5年前まだ具合が悪かった頃、犬を買いにいった、もしかして犬がきょんの心を癒してくれるかも知れないとおもったからだ、店内をくまなく見てミニチュアダックスを選んだ、ひときわ弱弱しい、これは辞めようよと言ったが聞かない、どうしてこれがいいの?だってみすぼらしいし、元気ないし、買いに来た人にもあいそを振り撒けないし、誰も買わないよ、この子はずーとこの籠の中で何ヶ月も暮らすんだよ、一人ぼっちで、寂しいよ、わかった買うよ。