空想じじい

人生は七転び八転び。

酒飲み4段

もう30年ほど前の話になる。僕は酒飲み4段を持っていた、自分で勝手に4

段に決めた僕が勝手に皆の段位をその日の気分で決める「日本大酒飲みやがれ

協会」の公式資格だ、会員は10人位しかいない、しかし最近ガンになって今

は飲めなくなったので、自分に剥奪されている、厳しい処置だ、しばらく飲め

なかっただけなのに、血も涙もない、でも3日間連続飲まない日が続いたら段

位をはく奪すると言う規定がある、自分が作った規則なのでしょうがない。も

う一度4段を取る自信が無い、今だったら8級がせきのやまかな~、当時よく

飲み歩いた連中でも2段が最高だった。まず4段のレベルを説明すると、飲酒

運転はしない、どんな種類の酒でも飲める、酒をのんでも暴れない、人の後ろ

で屁をこく、愚痴を言わない、人と他の動物達(カエル、ミミズ、牛、から

す、いわし・・・・)の悪口は言わない、仕事の話はしない、ややこしい話は

しない、みんなの面倒をみる、そして今日の話題を決める。この話題を決める

のが結構難しい、全員の興味のありそうな事を考えなくてはいけない、僕の飲

み友達はだいたい知性とか教養とか言うものを持ってない、え~今日のテーマ

は「コンピューター」にします、と決めたらコンピューターに関係のない話は

してはいけない。そうすると、いきなり全員無口になる。これでは4段は失

格。だいたいいつもテーマは食べ物になってしまう、天ぷら、刺身、塩辛、ラ

ーメンとか、一番厄介なのは皆の面倒をみる事だった、皆べろんべろんに酔っ

ぱらうまで飲んでしまう。いつの事だか覚えてないが2段以下の連中4人で飲

みに行った事があった、2段のY君が言う、昨日面白かったよ~、何軒かはし

ごしてべろんべろんに酔っぱらってしまって1時か2時頃だったと思う家へ帰

ろうとして4人、車に乗って駐車場から出たら、いきなり道路の脇へ落ちてし

まった、ハッハッハ~外に出ようとしたけどめんどくさくなってきて、車が傾

いたまま4人とも寝てしまった、田舎の道なので狸くらいしか通らない、誰に

も発見されなかった、朝起きてビックリよ、なんじゃこりゃ!世の中45度に

傾いてしまった!いや違う俺たちが傾いてる、って事に気づくのにしばらく時

間がかかったさ、だ~れも怪我してないんだよハハハハハハ~。なんだそんな

面白い事があったのか?バッキヤローお前2段取り消しや!なんで~?決まっ

てるやないか、そんな面白い時に俺を呼ばないんだからよ~。