空想じじい

人生は七転び八転び。

アメリカ11 救急なのにか?

それからしばらくして今さんが、子猫が産まれたお前の子供達に見せてやりた

い、家へ飲みに来いと言う、休みの日に家族で行った、今さん夫婦は離婚して

るのに同居している不思議な夫婦だ、さらに今さんはビールは常温で飲む、俺

の分は冷蔵庫で冷やしてくれってあった、子供たちはこ猫に夢中になってい

る、親父さんが挨拶にきた、96歳だったか背筋がまっすぐのびて、息子がお

世話になってます、と言って深ぶかとあたまを下げる、恐縮する。家の親父は

60代のときかな?胃ガンで医者から手遅れですと言われて手術はしなかった

んだ、だんだんひどくなって寝たきりになって、お袋が一日中看病をしてて、

看病疲れでお袋が先に死んでしまったんだよ。ところが親父はバラが好きで手

入れの時期になったら、起きて少しづつ手入れをするようになったら、元気に

なってしまった、病院へ検査につれてったらガンが壊死したって言うんだよ、

それでこんな長生きしてる、耳は遠くなったけど健康だよ。すごいな~そんな

事もあるんだね、それで俺はさ~大学出て音楽家を目指してウイーンに4年留

学したんだけど、才能がないのがわかった、結局落ちこぼれた、それでUCL

Aで教えてたけどあまりの学生のレベルの低さに嫌気がさして辞めた。で今こ

んな事をしてる。血圧が高いけど酒が止められなくて、病院へ何度か言った

ら、保険屋が一方的に契約解除するって言ってきた、もう20年もかけてる保

険だよ、はらたつだろ?それはアメリカでも違法なんだけど、そんなもん裁判

だなんだやってたら大変だから泣き寝入りだよ、どうするの病気したら?う~

ん日本に帰るかな~。それから何か月か経った。職場にでてこない、親父が転

んで大腿骨骨折したと言う、朝から救急病院で順番を待ってる、と電話が入

る。次の日も朝から夜まで順番待ちをしてる、その次の日も朝から夜まで順番

待ちをしてる、その次の日昼過ぎ親父がぐわいが悪くなったので急いで家に帰

った!と言う、もう救急病院で3日も待ってる、このままでは死んでしまう、

たまたま医者に知り合いがいたので頼んでなんとかしてもらった、よかった!

と電話があった、次の日職場に出てきた、いや~まいったよ~。疲れた~。そ

れから1か月くらいたって、職場で今さんが言う、結局手術して20日くらい

入院した、費用が1500万円だと言う、払えないよ~、家を売るしかない、

親父は保険に入ってるのに。もう一回知り合いの医者に頼んでみる、結局その

知り合いの医者が病院と保険屋に話をつけてくれて無料になった、ハッハ~じ

られない!よかったな~。 (本)