空想じじい

人生は七転び八転び。

犬が

ついに力尽きた。
マメ柴のメス、名前は稀勢の里子、性格は臆病。
次女が小学校の低学年の時にどうしてもこの犬がほしいと言う。

一生面倒を見れるか?絶対に一生面倒を見るからと言うことで買って来た。

ある日次女が初めて稀勢の里子を散歩に連れて行った時に5分ほどで泣きながら帰って来た。どうしたんだ?と聞くと。

稀勢の里子があっちこっちにオシッコをするんだよ~稀勢の里子のオシッコがなくなって死んでしまう~~~、わ~~~と泣きながら帰って来た、結局3日ほど面倒をみただけで飽きてしまった。

あれから15年がたって次女も24歳になった。

家族全員がそろう事がほとんどない我が家だがたまたまこの連休に全員揃った、

ところが稀勢の里子が何も食べないし歩けなくなっていた、家族全員で夜中体を拭いたり、オムツを替えたり、水を飲ませたり、へとへとになった、翌日は稀勢の里子は静かに寝てたのであまり手がかからなかった。

次の朝早く家内が稀勢の里子が冷たくなってると俺を起こしに来た、ついに逝ってしまった。

葬儀屋さんに来てもらって家族全員で送り出すことにした。

葬儀屋さんがそれでは出発します。ちょっと待って次女が来てない、お~い稀勢の里子が行ってしまうから早く来い。

呼んでも次女が家から出てこない。

私は見送らなくていいから行っていいよ、と小さな声が聞えた。

仕方ない葬儀屋さん出発してください、車がゆっくり動き出した、家内は稀勢の里子ご苦労さんありがとう、長女はありがとうね~、俺は夜中に出てこないでね~~~