空想じじい

人生は七転び八転び。

木のぼり

こないだ木登りをして遊んでいた、檜に10メーターほど登って近くの木に飛び移ろうとした瞬間左足が痙攣した、右手にはのこぎりを持っていたので左手1本でかろうじて枝に捕まった、痙攣が治まるまで痛みをじっと耐えた、頭の中はこのまま落ちて死んだら家内に笑われる、それしか思い浮かんでこなかった、でも何とか落ちずに助かってホットした、枝に腰掛けて両手でガッツポーズをして又落ちそうになった、平衡感覚が鈍った。

もう檜に登るのはやめようと心に誓って、明日は竹を取りに行こうと思った、これは落ちる事がないので死ぬような事にはならないし、運がよければ、かぐや姫が竹の中からざっくざっく出てくるかもしれない、ハズレだったらマツコデラックスかナッツ姫が出てくると思う、

俺が、もしハズレのマツコデラックスを当てたら桃の中に無理やりねじ込んで桃沢川の上流から流してしまう。するとたまたま下流の方で川に洗濯に来ていた貧乏な目の悪いお婆さんが、こんな大きな桃は見たことがないといって大喜びで家に持って帰って目の悪いお爺さんと、桃を切ったら中から肥った松阪牛が出てきたので、さっそくすき焼きにして食べてしまった、と日本昔話が改定されるだろう。

怖いのは、ハズレのナッツ姫を当てた時だ。やっぱりマ二ュアルどうりに桃の中に無理やりねじ込んで川上から流すしかない、するとたまたま下流の方で川に洗濯に来ていた貧乏な目の悪いお婆さんがドンブラコドンブラコと流れてきた大きな桃を見て、あんな大きな桃も見えなくなったわい、あ~ぁ歳はとりたくないな~~~と、ぼそっと言って、とぼとぼと家にリターンした。