空想じじい

人生は七転び八転び。

全日本草取り選手権大会

今年もまた草取り選手権が始まる、次のオリンピックの正式種目に決定した。今大会の優勝チームが日本代表でオリンピックに行ける事になった。どのチームも気合が入っている。ルールは「10人の男女混合で1時間に何キロの草を取ったか?と芸術点」で争われる。この大会で9連覇をしているチームどん百姓が優勝候補ナンバー1だ、メンバーの実家はみんなどん百姓なので小さい頃から毎日草取りをさせられて肥溜めにも5回以上落ちている筋金いりのどん百姓ちゅうのどん百姓だ。チームどん百姓のスローガンは、規則正しい生活をする。弱点はいつも芸術点が伸びない事、ユニホームもばらばらで男子はステテコに腹巻をして麦わら帽子、女子はモンペに手ぬぐい、だれ一人監督の言う事を聞かない頑固者ぞろいだ。抽選で試合は3日目の第3組、11時30分試合開始と決まった。監督さんは頭を抱えた、まずい事になった!あ~~~っ10連覇は絶望だ!!!。いよいよ当日11時30分ピストルの音とともに選手たち10人が一斉に草を取り始めた、空想じじいはべろんべろんに酔っ払っていて自作の草取り歌を歌いだした、くさはよ~~~くさはよ~~~でっかい草はよ~~~俺を育てたおやじの~くさよ~~~、ただの替え歌だった。突然花の係長が片足立ちになってくるくる回り始めた、ついに出た白鳥の湖だ!係長の白鳥の湖が出るときは最高に調子がいい時だ、会場がどよめいた、次の瞬間係長は目を回してぶっ倒れた。係長のこの踊りが出た時は過去の大会では必ず大会新記録で優勝をしている。それを知ってる観客の期待も最高調に達した。そして11時40分になった、突然まりちゃんが場外に出てきて七輪で火をおこし始めて、サンマを焼きだした。監督の恐れていたことが現実になった。そして12時チームどん百姓はだんとつの1位を突っ走ってる、残り時間はまだ30分ある。突然まりちゃんが大きな声で叫んだ、みんな~お昼の時間だよ~~~サンマやけたよ~~~。は~~~い。