空想じじい

人生は七転び八転び。

うぐいすとどん底

不動産やが言う、どうですか静かな所でしょ、中古住宅ですが敷地も広いし周りの道路は車もめったに通らないし、自然がいっぱいある、秋には一面紅葉しますよ、そこの川にはヤマメもカジカも居るし、わさびとクレソンが自生してますもちろん取ってはいけないんですが、あとイノシシと鹿に猿も居ます、鹿は道路を歩いてるので気をつけてください。そーですか、お腹がすいたら鹿は勝手に取って食べてもいいの?いや駄目です猟期が決まってます。家内も気にいったので買った。翌春3月、うぐいすが鳴き始めた。風流だな~、ケキョケキョまだへたくそだもうすぐ上手になるだろう、4月になった家の周りはうぐいすだらけになった、朝の4時半から鳴き始める、うるさすぎる~寝不足になってきた、さらに増えていく何匹居るのか分からない。毎日寝不足が続いた、夏が過ぎて少しづつ減っていったが秋まで続いた、家の家族全員うぐいすが大嫌いになった。翌冬、隣の空き地の竹林を切ってもらったら、次の春からは2~3匹が遠くで鳴くようになってちょうどよくなった。よし!これで快適な生活が出来ると思ってた。それから1年後長女の具合が非常に悪くなった、僕がガンになった、次女も具合が悪くなった、家内がウツ病になった、僕がガンの手術が終わって退院したその日から3人の面倒を見なければいけなくなった、一気にどん底に突き落とされた。こんなに辛かったのは生まれて初めての経験だった。でも今は少しづつ階段を登ってる様な気がする、俺は少しジョギングができるようになってきた、オリンピックを目指す事にする、後は家内が快方に向かえば良いのだが足踏み状態だ。