空想じじい

人生は七転び八転び。

富士スピードウェイ

その日は、曇り空だった、朝の8時くらい、新木場に5人集まった、ここから富士スピードウェイに、デモンストレーションにヘリコプターで行く、発炎筒とか、垂れ幕とか、最終のチェックをしている、降下予定の40分前になる、いよいよ出発する30分足らずで現地到着、規定では地上3000フィートまでにパラシュートは開いてないといけない、今回も窪やんがジャンプマスターをしている、雲で何も見えない、パイロットに高度を下げさせてる、地面が見えた!1000を切ってる、まさか、中止!窪やんが地上と連絡を取る、どうしてもやってくれってよ~、どうする?ウーン、小雨も降ってる、悩んだ、時間がない、窪やんがもう一度連絡を取る、契約が違うだろ出来ない状況だったら中止でかまわないと言ったろが、喧嘩してる、でも時間が迫ってる、窪やんが決断する、もう行くしかない、命がけの仕事だ、こんな仕事は今回で終わりにする、行くぞ!地上の車も人も見えてる、地面まで近すぎるこれじゃベースジャンプだ、こんな低い所から降りるのは、僕もはじめてだ、5人飛び出した、すぐに開かないと間に合わない、青ちゃんのが開かない、どこまでも落ちて行く、開け!開け!青!あほ!何とか300フィートくらいの所で開いた、ビックリさせやがって、降りてきてみんな集まった、青ちゃんが、いや~パラシュートがなかなか開かなくてビックリしたよ~ハハハハ、皆で笑った、何とか仕事をこなした、窪やんが怒ってる、もうこんな仕事やんないぞ。  何日か後、今度は埼玉の市民運動会に来てほしいと頼まれる、予算がないと言うのでボランティアでやる、12時ちょうどに降りて欲しい、と言う注文だ、天気もいい、セスナで上空まで行く、5000フィートくらいから降りる事にした、高度があるので安心だ、だが下を見ると、5箇所くらいで運動会をやっている、どの運動会場に降りればいいのか分からない、窪やん、どれだよ、アレだと指を指す、分からない、全員分からない窪やんだけが知っている、時間だ、着いて来い!と言って窪やんが飛行機から飛び出していった、全員後に続く、パラシュートが開いてしばらくしてからようやく降りる場所が分かった、地面が近づいてくるワァーと言う歓声が聞こえ始める、僕は足に垂れ幕をくっ付けてるのであんまり動けない、窪やんはクルンクルン回ったりしてる、皆好き勝手やってる、地面に降りた、沢山景品をもらった、観客が拍手をしてくれる、一応手を振っといた、なんかてれるな~、帰ろうとすると、親子連れが僕のところへやってきて、すいませんサインをしてください、と言う、僕は芸能人でも有名人でもない、普通の貧乏人ですよ、是非お願いします、と言うので、カタカナで大きく、マイケル ジャクソンと書いてやった。