空想じじい

人生は七転び八転び。

パニック 3

蛍の里を秀ちゃんがプロディュースをする事になった。雑木林あり、竹林あ

り、小川あり、野花あり。散策回廊つくりから始め出した、半年をかけて開発

した、ここの目玉は何と言っても蛍だ、いよいよオープンの日、家族連れで賑

わった、いろいろアトラクションも用意された、子供達は川で、沢蟹やヤマメ

やメダカやザリガニを取って大喜びをしてる、親達はバーベキューを楽しんで

る、日も暮れかけてきた、秀ちゃんの紙芝居が始まった、「昔々あるところに

お爺さんとお婆さんが死んでいました、そこへ刑事コロンボがやってきた、う

~ん警察をよ・・・・・・・・」そのそばでは着ぐるみを着た金太郎と熊がす

もうを取ってる金太郎が投げ飛ばされた。竹を光らせるために竹の中に電球も

入れて光らせた、かぐや姫はこの竹やぶで発見されました、その証拠に竹が光

ってるでしょとめちゃくちゃな解説をしてる。この川は昔桃が流れてきた川で

桃太郎伝説の川ですとこれまためちゃくちゃな解説をつけた、ウルトラの星

から着ぐるみを着たウルトラマンも登場した、子供達は大喜びだ、いよいよメ

インイベント蛍の乱舞が始まる、だがこの日は蛍が全然飛ばない、困った秀ち

ゃんは、ボランティアを20人集めて川の向こう岸に行った客席まで30メー

トルくらいあるしかも真っ暗だ、気づかれない、よし!誕生祝いに使った細い

ローソクを20本用意して火をつけてみんなクレヨンしんちゃんのように尻に

突っ込んで横一列に並んで少しづつ動いた、客席から大歓声が沸き起こった。

すばらしい!こんな綺麗な蛍は始めて見た、横1列に並んでいる北の源氏蛍で

すかね?来てよかった。もう5分見たい!という大きな声が客席から聞こえ

た、よし!秀ちゃん達はもう5分頑張るぞ!と小さな声をかけあった、でもロ

ウソクが短くなってきた熱い!アチッアチチッ、でも子供達を喜ばすために火

傷をしながら我慢して頑張った。何とかその日のイベントを成功させて夜が更

けた。そして翌日1人の男の子が秀ちゃんにお礼の手紙をくれた、秀ちゃんは

嬉しくて、すぐにその場で読んだ「ありがとうございました、今まであんなす

ばらしい心のこもった蛍を見たことがありません、お尻の火傷が早く良くなる

ことを願ってます。おじさん達へ。」