空想じじい

人生は七転び八転び。

きょんちゃん 17

しばらく元気がなかったきょんだが突然アルバイトがしたいと言い出した、源

之新はきょんのアルバイトを探す事にした、ある日の朝、向かいの旅館の支配

人に会った、まだ30代半ばだ、世間話をしているときょんの話になった、い

ろいろ話した。そーですか家に協力させてください、1日2時間くらいのアル

バイトを用意します、え~っ本当ですかでも役に立ちませんよ、迷惑かけると

思うんですけど、いいですよそのときはそのときまた考えましょう。じゃあさ

っそく今週末夕方の6時から2時間くらいですがお客さんの布団敷きをやって

もらいましょう、何と言う優しい支配人だ!さっそくきょんに話した、嬉しそ

うな不安そうな顔をした。そして週末きょんは6時に家を出る、だめだよ6時

からだから10分前には家を出ないといけないよ、翌日もやっぱり6時に家を

出る、何度言っても駄目だ、源之新はいらいらし始めた、6時には旅館に着い

てなければいけないんだよ!きょんは青ざめた、だが次から5分前に家を出る

ようになった、よかった。お父さん給料いつ出るんだろう?でるかな~?、バ

カまだ始めたばっかりだろ1ヶ月くらい先だよ。きょんは不安定だが頑張って

アルバイトをしている、泣きながら家を出て行く日もたまにある、帰ってきて

から泣く日もある、今も頑張って行っている。ある時源之新は夕方2階のベラ

ンダに座ってコーヒーを飲みながらタバコを吸っていた、そのコーヒーのそば

にハチがやって来た、邪魔なので手で払ったハチはすばやく逃げたが手すりの

アルミパイプにコンッと小さな音をたてぶつかって床に落ちた大急ぎで飛んで

逃げていった、そのあわてぶりがおかしくて思わず笑った、笑うのは随分久し

ぶりだ、のうしんとうを起こしたな~たんこぶもできてるんじゃないかな~、

こんなどんくさいハチは初めて見た、きっと迷子になっていたんだ、そんなん

でハチとして生きていけるんだろうか心配になる、きょんがハチだったらこい

つと同じなんだろうな~