昔々、あるところにアホのユキちゃんがいました、ユキちゃんは、川岸で総理
大臣のいすに座って、沈む夕日をぼんやり見てるのが好きだった、表情は決し
て変える事がない。もうこの総理大臣の椅子もがたがたになってきている、あ
~後ろの足が折れそうだな~と思いながらいつものように座って空を見上げる
と積乱雲だ、この時期に珍しい、何か異変でもあるのかな~と思ってるうちに
寝てしまった、しばらくすると、ピカーッゴロゴロゴローという音で飛び起き
た、そのひょうしに椅子の後ろ足がポキリと折れた、ユキちゃんと総理大臣の
椅子は見事に川に転落した。その頃、川沿いリバーサイドホテルの近くの公園
でたくさんの村人がバーベキューパーティーをしていた、すると川上から大き
な総理大臣の椅子とユキちゃんが、ドンブラコドンブラコと流れてきた、そば
に居た村人達がユキちゃんを助けようと集まった、ユキちゃんが叫んだ、助け
て~~~おかあさ~ん。それを聞いた村人達は一斉にお母さんを探しにどこか
へ行ってしまった。お母さんがどこに住んでいるのか誰も知らない。そこへ偶
然カンちゃんがそばを通りかかった、大変だ!ユキちゃんと総理大臣の椅子が
溺れてる、助けなきゃ。カンちゃんは必死に川の中へ入って行って総理大臣の
椅子を助けた、よかった後ろの足が一本折れているだけだ、修理すれば使え
る、すぐに家具の大塚へ行って修理をしてもらった、長くは持たないがとりあ
えずは使えるようになりました。そうですかありがとうございましたと言っ
て、にっしゃにしゃ笑いながらスキップして家に帰った。一方ユキちゃんはド
ンブラコドンブラコと川下に流れて行った。そこへ沢小が通りかかった、ユキ
ちゃんはもう声を出す力も残ってない、かろうじて手を振った、沢小がユキち
ゃんを見つけた、あっユキちゃんじゃないか!すぐに手を振りかえした、水泳
をしてるのか?今日は暑いからな~と一人ごとを言いながら去って行った。