空想じじい

人生は七転び八転び。

きょんちゃん 11

ついに恐れていた事態になった、きょんは朝から「辛いよ~」の連続になっ

た、夜まで続く、家族全員、朝ご飯も昼ごはんも食べれなかった、もうこれで

は家族が全滅してしまう、入院させるしかない、かかりつけの病院はもう夜な

ので電話が通じない、救急指定病院(中央病院)に電話をするが、名前と住所

を言うといきなり「家族の同意が得られないから受けられない」と言う。俺は

まだ何も話してないのに、意味がわからない。入院は出来ない、源之新の意識

はもうろうとしている。しばらくして意味がわかってきた。以前家内が躁状態

になったときに主治医と喧嘩をしている、主治医が家内に内緒で家内の職場の

上司に診断書を渡している、上司は職場で家内の状況を全員に公開してしまっ

た。家内は激怒してさらにテンションが上がった。主治医の患者にたいする守

秘義務違反だ、信頼関係が壊れてしまった。気の強い家内が反撃に出た、中央

病院の不正経理を調べあげてそれなりの機関に通報した、源之新が付き添いで

病院に行ってるのに源之新も診察を受けた事になっていた。信じられない事を

する病院だ。でも田舎なのでこの病院しかない。今度は院長と家内の喧嘩が始

まった。結局権力者には勝てなくて、2人とも転院を余儀なくされた。新しく

通院する病院は車で1時間30分くらいかかる、いろいろやってるとそれだけ

で1日が終わってしまう、交通の便が悪い、今は家内はうつで他の病院に転院

して通院してる、きょんはそのままだ、家内は時間の問題で治るからいいとし

ても、きょんは先が見えない。この先きょんが一人で通院するのは無理だ。源

之新の送り迎えがずーっと必要だ。元気な時でも、きょんは9時のバスに乗る

のに9時に家を出るいつも乗り遅れる、最近やっと5分前に家を出る事を覚え

たばかりだ、電車とバスを4回も乗り継いで今の病院に一人で通えるようにな

るにはあと80年くらいかかりそうだ。きょんが一人で通えるかも知れない家

から20分くらいで行けて入院の設備もあって夜間の救急もある、便利な中央

病院から家の家族は永久追放されたようだ。