ついに恐れていた事態になった、きょんは朝から「辛いよ~」の連続になっ
た、夜まで続く、家族全員、朝ご飯も昼ごはんも食べれなかった、もうこれで
は家族が全滅してしまう、入院させるしかない、かかりつけの病院はもう夜な
ので電話が通じない、救急指定病院(中央病院)に電話をするが、名前と住所
を言うといきなり「家族の同意が得られないから受けられない」と言う。俺は
まだ何も話してないのに、意味がわからない。入院は出来ない、源之新の意識
はもうろうとしている。しばらくして意味がわかってきた。以前家内が躁状態
になったときに主治医と喧嘩をしている、主治医が家内に内緒で家内の職場の
上司に診断書を渡している、上司は職場で家内の状況を全員に公開してしまっ
た。家内は激怒してさらにテンションが上がった。主治医の患者にたいする守
秘義務違反だ、信頼関係が壊れてしまった。気の強い家内が反撃に出た、中央
病院の不正経理を調べあげてそれなりの機関に通報した、源之新が付き添いで
病院に行ってるのに源之新も診察を受けた事になっていた。信じられない事を
する病院だ。でも田舎なのでこの病院しかない。今度は院長と家内の喧嘩が始
まった。結局権力者には勝てなくて、2人とも転院を余儀なくされた。新しく
通院する病院は車で1時間30分くらいかかる、いろいろやってるとそれだけ
で1日が終わってしまう、交通の便が悪い、今は家内はうつで他の病院に転院
して通院してる、きょんはそのままだ、家内は時間の問題で治るからいいとし
ても、きょんは先が見えない。この先きょんが一人で通院するのは無理だ。源
之新の送り迎えがずーっと必要だ。元気な時でも、きょんは9時のバスに乗る
のに9時に家を出るいつも乗り遅れる、最近やっと5分前に家を出る事を覚え
たばかりだ、電車とバスを4回も乗り継いで今の病院に一人で通えるようにな
るにはあと80年くらいかかりそうだ。きょんが一人で通えるかも知れない家
から20分くらいで行けて入院の設備もあって夜間の救急もある、便利な中央
病院から家の家族は永久追放されたようだ。