空想じじい

人生は七転び八転び。

HELP

誰かたすけてくれ
俺は今から胃を取られてしまうんだ
もうじき俺を連れに、美人に見ようと思えば見れる看護士さんが、やってくるんだ
腕は太いし、足は太いし、神経も太いし、たくましいんだ、力もちなんだ、
もう一人なんか、目の周りを真っ黒に塗って、パンダみたいな顔してるんだ
誰かたすけてくれ
主治医は胃を全部取っても、酒だけは飲めるから大丈夫だと言う、
今39度の熱が出てる、主治医は、大丈夫、高熱を出してる人の手術は始めてだけど
やって見なければ、わからない、今まで2回しか失敗していない、大丈夫
出来れば僕を助けてくれ
いつもの看護士さんがニコニコしながらやって来た、さあ行きましょうか
前にパンダ、後ろに力持ち、部屋の人達が皆俺のベッドの後を、怖い顔して付いてくる
ベッドを押しながら、昨日のホルモン焼きうまかったね、塩ダレで食べたのサイコー
ミノも柔らかくて、口の中で解けてく、めっちゃ美味しかった、一日で3キロ太った
頼む、もうそれ以上太らないでくれ、助けてくれ
誰かたすけてくれ
もう手術室の前まで来てしまった、全部ステンレスで、レストランの厨房のようだ
兄と母が居る、ここは笑うしかない、頑張って笑う、多分、顔が引きつってる
カウンターに載せられる、力持ちが押してくれた、凄い力だ、片手で俺を押した
手術台に乗せられた、ライトの下まで移動した
ジェット機パイロットが付けているようなのを、口に付けられた
誰かたすけてくれ
ゆっくり息を吸ってください、息を止めてやった、眠く成ってきましたか?首を横に振る
おかしいな?もう一度、深呼吸して下さい、もう一度、息を止めた、が、限界だ
しばらくゆっくり呼吸してて下さい、まぶたが重くなってきた、目が開かない
助けて、助けて、誰か僕を助けて。