きょんは、最近よく外に出かけたがる、良くなってきた証拠だと思う、山の奥
にお店が何軒かモールのようになってる所がある、その中の本屋さんが、きょ
んのお気に入りだ、源之新はよくきょんを連れて行く。ところが今日は一人で
歩いて行きたいと言う、そーか~、チャレンジさせてみようと源之新は思っ
た、お昼代を持たせた、家からだと歩いて4キロ、けんけんしても4キロあ
る、山の中の一本道だ、迷子になりようがない、歩道もちゃんと付いている。
暗くなる前に家に帰って来るんだよ!と源之新は言った。きょんは朝10時に
出かけた、今は冬で5時には暗くなる。5時半になったが帰ってこない、もう
暗い、きょんから電話が来た。お父さん迷子になった~、え~どーすれば迷子
になれるんだ?道は一本しかないんだぞ~、迷子になる天才か?仕方ない迎え
に行くからそこにいろ、すぐに車で迎えに行った、きょん!どーして迷子にな
ったんだ?暗くて辺りが何も見えなくなったのでこの道は違うんじゃないかと
思ったの、それでお父さんに電話したの?そーか、道は一本しかないんだよ、
まあいい家に帰ろうと言って、家に着いた。あ~っおとうさん!お店に財布を
忘れてきた~、すぐに店に電話をしたら保管してあると言う、よかった~次の
日、源之新が取りに行った。それからしばらくして、こんどはお婆ちゃんの家
に一泊で遊びに行きたい、と言うので40キロくらいあるが源之新は車で送っ
て行った、帰りは電車で帰るから近くの電車の駅まで迎えに来てほしいと言
う、分かったと言って源之新は家に帰った。翌日の夕方、お婆さんから電話が
入った、きょんが3時40分に駅に着く。源之新が駅で待っている、ここは無
人駅になっている、3時40分の電車が入ってきたが、きょんが降りてこな
い、おかしい俺が間違えたか?次の電車かもしれないと思い待つ事にした、そ
れから30分して逆の電車が入ってきた。きょんが泣きそうな顔で降りて来
た。どーしたんだ!きょん、降りようと思って車両の後ろのドアの前に立って
待ってたんだけどドアが開かないで、動き出してしまった、車両の前のドアし
か開かなかったの。どうしていいかわからなくなってしまったの。そしたら知
らない叔母さんが次の駅で降りて向こうの電車に乗れと教えてくれたの。きょ
んは後ろのドアが開くと思ってずーとドアの前で待ってたのか?うん。ビック
リしたよ~もう一生お父さんに会えないと思った怖かったよ~~