もう夜が明けてきた、田んぼのあぜ道をとぼとぼと歩いていると突然おリンち
ゃんが藪の中から出てきた、貢はビックリしたゴリラが出てきたかと思って、
大あわてで逃げた、ドボン肥溜めにスッポリはまった、すぐにおリンちゃんが
グローブのような大きな手で貢ちゃんの髪の毛をつかんで引っ張りあげた、さ
すがに力が強い、ありがとうリンちゃん肥溜めで溺れて死ぬかと思ったよ~、
そうだったのか灯台元暮らしだったんだ、そうだもう顔なんか付いてればいい
んだ、心が大事なんだ!おリンちゃんは気立てのいい子だ、こうなったらしょ
うがないおリンちゃんでいいや、やっと大切な事に気が付いた、さっそくおか
あさんに挨拶に行った、おかあさんも大喜びしたおリンはもう一生独身だと思
ってた、ありがとう貢君。おかあさんもおもいっきりぶっさいくだ、遠くから
見るとゴリラの親子にしか見えない、この前イノシシと間違えられて猟師に散
弾銃で頭をぶち抜かれて軽い怪我をした、夕方うす暗くなったらこの2人は猟
師に撃たれないよう気をつけないといけない。貢がふとおリンちゃんの足元を
見ると地下足袋が破れてる、なんと貧乏でぶっさいくなんだ!今から地下足袋
を買いに行こう、ポルシェに乗って地下足袋をワークマンに買いに行った、お
リンちゃんはすぐに1足履いてきたこれを前からほしかったの、本当に買って
もらってもいいの?、もちろん、じゃあ貢ちゃん会計お願いね~と言って走っ
てどこかへ行ってしまった、貢は会計に行った、いくらですか?2億円です、
え~どーして、これは当店の特製でして、4カラットのダイアがちりばめてあ
ります。ちょうどその頃父親の会社がリーマンショックの影響を受けて倒産し
た、父親にはもう20年会ってないちょっと心配だ、でも庭に穴を掘って金の
延べ棒を隠してあるから心配ないか~、まあいいやおリンちゃんと細々と生き
ていくことにしよう、1週間ほどしておリンちゃんの家に行ったが誰も居な
い、おかしい、道端に右足に皮靴、左足に運動靴を履いてTシャツを裏返しに
着ている変なじじいが居たので、おリンちゃんの事を聞いた、あ~おりんちゃ
んはニュージーランドに移住したよ、なんでも羊を飼って暮らすんだ!と言っ
ていたよ。